チームS:シェイダさん救援グループ 2001/10/11 up
シェイダさん在留権訴訟、折り返し点に
〜第七回口頭弁論は10月16日(火)午後1時30分〜

 10月16日、「シェイダさん在留権訴訟」は第7回口頭弁論を迎えます。
 今回の法廷は、書面の提出による主張の出し合いの段階から、証人尋問など、次のステップにうつる、ちょうど「折り返し点」となる法廷です。シェイダさん側は、今回の法廷で次のことを行う予定です。

(1)証人申請:イランの同性愛者のおかれた事情について米国から証人申請
 シェイダさん側は、イランにおいて同性愛者がおかれている生の現実を語ることのできるイラン人の証人を申請しようと、欧米を拠点に活動するイラン人同性愛者の団体やイラン人の人権擁護団体などに働きかけを行ってきました。その結果、米国オレゴン州在住のイラン人、グダーズ・エグテダーリ Goudarz Eghtedari 氏が、シェイダさんの法廷に証人としてたつことを快諾してくれました。
 エグテダーリ氏は、米国ポートランド大学でシステム工学の研究に従事する傍ら、「イラン人権グループ米国支部」Iranian Human Rights Group USA の議長を務め、イランの人権状況について監視を行っている「イラン人権ワーキンググループ」 Iranian Human Rights Working Group の執行委員に就任しています。イランにおける同性愛者に対する迫害状況については、「イラン・イスラム共和国と姦通・同性愛に関する死刑の執行」という論文を執筆しているほか、シェイダさんの裁判のために、イランの同性愛者の死刑執行状況について専門家としての意見書を執筆、証拠資料として提出しています。
 シェイダさん側としては、このエグテダーリ氏と、シェイダさん本人を証人として申請し、イランの同性愛者がおかれている迫害の現状についての証言を得て、シェイダさんを難民として受け入れる必要性を立証して行くつもりです。

(2)書面提出:シェイダさんが難民である理由を再整理
 シェイダさん側はこれまで、様々な形でシェイダさんが難民である根拠を主張してきましたが、法務省は「これまでに述べられてきたことの繰り返しに過ぎない」などと切り捨ての姿勢を崩していません。
 そこで、シェイダさん側としては、シェイダさんがイランで生活していたころにおかれていた状況から、来日してカミングアウトし、現在に至るまでのプロセスをもう一度まとめ直し、シェイダさんにはどのような迫害の危険性があり、なぜ難民認定しなければならないのかということについて、再度、懇切丁寧に説明する書面を作成し、提出する予定です。
 この書面では、シェイダさんの迫害の可能性として、同性愛者であること(=「特定の社会的集団の構成員」)、および、自己の性的指向に関わる「政治的意見」(=刑法の反ソドミー条項の撤廃や同性愛者への迫害の停止など)の二点を挙げ、さらに、シェイダさんのこれらの主張が、すでにイランの治安当局などに知られている可能性を強く指摘して、強制的に帰国させられた場合に迫害にさらされる危険性が高いことを説明しています。
 さらに、米国、ドイツ、ニュージーランドの難民認定の判例を紹介して、そもそも同性愛者への迫害がきびしいイランに同性愛者を強制送還すること自体が社会的迫害に当たるとの主張を展開しています。
 
 今後、裁判はとくに証人尋問に向けて大きく動き出していくことになると思います。エグテダーリ氏が証人として採用された場合には、その証人尋問は大きな山場になると思います。皆様、ぜひ傍聴のほどお願いします。また、招へいにあたっては、約30万円程度の費用がかかります。その際には、カンパ等のご協力をお願いすることになるかもしれませんが、ぜひともよろしくご支援のほどお願い申しあげます。
 10月半ばといえば、秋も深まるころですが、ぜひとも法廷に足をお運び下さい。

 

■□■シェイダさん在留権裁判 第七回口頭弁論■□■
●日時:2001年10月16日(火)午後1時30分〜(1時集合)
●場所:東京地方裁判所第606号法廷
(営団地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分)

■□■第七回口頭弁論 報告集会■□■
●日時:2001年10月16日(火)午後2時〜
●場所:未定(弁護士会館5F会議室を予定)